単純なブートストラップでは、標本サイズがnである元データから、標本サイズがnであるブートストラップ標本が復元抽出されます。このブートストラップ標本には、同じデータ行が重複して抽出されたり、逆に、抽出されないデータ行があったりすることに注意してください。ブートストラップ標本において、同じデータ行が重複している回数を、「ブートストラップの重み」と呼びます。ブートストラップにおける反復ごとに、以下のような情報が求められ、分析全体が再実行され、統計量が再計算されます。
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ブートストラップの標本(n個のオブザベーションから成るデータセット)
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ただし、単純なブートストラップが適切でない状況もあります。たとえば、データセットが小さかったり、ロジスティック回帰で分離の問題があったりする場合などです。このような場合に対して、JMPでは、ベイズ流のブートストラップ(Bayesian bootstrap)も用意されています。ベイズ流のブートストラップでは、重みが小数点以下を含むものになっています。この小数の重みは、合計するとnになります。この小数の重みを、各分析用のプラットフォームで度数変数として用いることにより、目的の統計量の分布を求めることができます。小数の重みについての詳細は、第 “小数の重み”および第 “小数の重みの計算”を参照してください。