[混合モデル]手法を使ってモデルをあてはめるには、[分析]>[モデルのあてはめ]を選択し、「手法」のリストから[混合モデル]を選択します。なお、手法を選択する前にYリストに連続変数を指定した場合、「手法」には[標準最小2乗]が表示されます。
[混合モデル]を使ってモデルをあてはめる場合、[分散成分の範囲制限なし]というオプションが表示されます。このオプションがオンになっている場合、分散の推定値が負になることを許容します。このオプションは、デフォルトでオンになっています。固定効果に対する検定に主に興味がある場合は、このオプションをオンにしておいたほうが良いでしょう。分散推定値に非負の制約を課すと、固定効果の検定にバイアスが生じるためです。[分散成分の範囲制限なし]の詳細は、「標準最小2乗のレポートとオプション」章の「負の分散推定値」(170ページ)を参照してください。
[固定効果]タブにすべての固定効果を追加します。必要に応じて、[追加]・[交差]・[枝分かれ]・[マクロ]・[属性]の各オプションを使用します。これらのオプションの詳細については、「モデルの指定」章(23ページ)を参照してください。
固定効果を追加した「モデルのあてはめ」起動ウィンドウは、「Split Plot.jmp」サンプルデータの固定効果を追加したところです。なお、データやモデルによっては1つも固定効果がないものもありえます。例として、第 “空間モデルの例: 正方形分割された農場での試験”を参照してください。
従来の分散成分モデルを指定する場合は、[追加]・[交差]・[枝分かれ]オプションを使用して、乱塊実験におけるブロック効果や、分割実験における1次単位効果などの変量効果を指定します。これらのオプションの詳細については、「モデルの指定」章(23ページ)を参照してください。
「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[変量効果]タブでの指定は、「Split Plot.jmp」サンプルデータテーブルの変量効果を指定したところです。ここでは、「肉」が1次単位となっています。この例については、 第 “分割実験モデルの例”で詳述しています。
2.
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[変量効果]タブを選択し、[追加]をクリックします。
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4.
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[ランダム係数 枝分かれ]ボタンをクリックします。
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この最後の操作により、ランダムな切片とランダムな(複数の)傾きがモデルに追加されます。なお、切片と(複数の)傾きの間には、すべて相関が仮定されます。この最後の操作では、ランダムな切片も自動的に追加される点に注意してください。「切片はすべてのグループで共通で固定されている」と仮定するなら、「切片[<グループ>]& ランダム係数(1)」を選択して[削除]をクリックすると、ランダムな切片がモデルから削除されます。
同一グループのランダム係数の共分散構造には、無構造(unstructured)が仮定されます。ランダム係数を指定した「モデルのあてはめ」起動ウィンドウは、「Wheat.jmp」サンプルデータでランダム係数を指定したところです (第 “混合モデルを使った例”も参照)。
反復構造は、デフォルトでは[残差]に設定されています。[残差]構造は、「誤差間には共分散が存在しない」、つまり、「誤差は互いに独立している」と仮定します。その他のすべての共分散構造は、誤差間に何らかの共分散があることを仮定します。反復構造に関する詳細は、「統計的詳細」の節の第 “反復測定”と第 “先行依存共分散構造”を参照してください。
反復共分散構造の要件に、使用できる共分散構造と、各構造を使用するための要件、各構造の共分散パラメータの数をリストします。観察時点数はJとします。
J(J+1)/2
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J+1
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2J-1
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2J-1
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共分散構造として空間的な構造のいずれかを選択すると、「種類」リストが表示されます。このリストから空間的構造を表す関数を1つ選択します。[べき乗]・[指数]・[Gauss]・[球型]という4種類があります。「モデルのあてはめ」起動ウィンドウの[反復構造]タブでの指定は、「UniformityTrial.jmp」サンプルデータで球型の空間的構造を選択したところです。