「仮想結合」(バーチャルジョイン)は、メインのデータテーブルと、1つまたは複数の補助のデータテーブルとをリンクします。この機能を使用すると、実際にテーブルを結合せずに、メインのデータテーブルが補助のデータテーブルと仮想的に結合されます。データテーブルの仮想結合を参照してください。
この仮想結合は、「リンクID」列プロパティと「リンク参照」列プロパティによって可能になります。
メモ:
• 「リンクID」列と「リンク参照」列のデータタイプは一致している必要があります。
• 「リンクID」と「リンク参照」は、「行の属性」データタイプと「式」データタイプに対しては使用できません。
• メインのデータテーブルにおける参照元の列が、補助のデータテーブルにおける列を参照できるように、「リンク参照」列プロパティより先に「リンクID」列プロパティを追加するようにしてください。
「リンクID」列プロパティにより、補助のデータテーブルにおける列がID列となります。これにより、補助のデータテーブルにおける各行がID列の値によって一意に識別されるようになります。「リンクID」列プロパティがあるデータテーブルは、「参照先のデータテーブル」と呼ばれます。
「リンクID」列プロパティを追加するには、列を選択し、[列]>[列情報]を選択した後、「列プロパティ」リストから[リンクID]を選択します。[リンクID]チェックボックスがオンになっていることを確認し、[OK]をクリックします。このチェックボックスがオンになっているということは、その列がデータテーブルのID列になっていることを意味します。
[リンク参照]列プロパティは、メインのデータテーブルの列を、参照先のデータテーブルのID列にマップします。リンク参照を含む列は、「参照元の列」と呼ばれます。参照元の列は、ID列を通じて、参照先のデータテーブルのデータを参照します。
「リンク参照」列プロパティを追加するには、列を選択し、[列]>[列情報]を選択した後、「列プロパティ」リストから[リンク参照]を選択します。参照先のデータテーブルへのパスを入力し、[OK]をクリックします。パスを正しく入力した場合は、[OK]をクリックした後、メインデータテーブルの「列」パネルに参照先の列が表示されます。
メモ:
• パスは大文字と小文字を区別します。
• リンクするデータテーブルを同じフォルダに含めるようにしてください。そうすれば、「リンク参照」プロパティからディレクトリ名を省き、データテーブル名だけを含めることができます。それ以外の場合は、データテーブルへのフルパス(たとえば、c:¥users¥marie¥My Data.jmp)を指定する必要があります。
• その場合、「リンク参照」のパスでJMPパス変数を使用すれば、移植性が向上します。Figure 5.9は、その一例を示しています。データテーブルをWindowsユーザとmacOSユーザの両方で共有するには、パスにスラッシュを使用します。パス変数の詳細については、『スクリプトガイド』のパス変数を参照してください。
• 列を右クリックして「リンク参照」プロパティを追加すれば、パスをキーボードで入力する必要がありません。詳細については、列を仮想結合する例を参照してください。
• [「行の属性」を同期化する]オプションで、仮想結合した列を含むデータテーブルで「行の属性」を同期化できます。詳細については、列を仮想結合して行の属性を同期化する例を参照してください。
• 参照元のデータテーブルを開いたときに参照先のデータテーブルも自動的に開くには、[自動的に開く]を選択します。詳細については、データテーブルの更新を参照してください。
• 仮想結合の列に列名だけを使用するように指定できます。このオプションを使用すると、より短い名前(たとえば「チーズ[選択肢]」ではなく「チーズ」という名前)で表示させることができます。このようにするには、「リンク参照」列プロパティで、[参照先の列名をそのまま使用]を選択してください。
図5.9 「リンク参照」列プロパティの定義