「一変量の分布」プラットフォームの[工程能力]オプションを使うと、指定の仕様限界と比較したときの工程能力が測定できます。優れた工程とは、安定した状態にあり、かつ、仕様限界内にほどよく収まる製品を一貫して生産できる工程です。工程能力指数(capability index)は、工程のパフォーマンスを示す指標で、工程の中心とばらつき(変動)を、仕様限界に照らして要約した指標です。
列に[仕様限界]列プロパティが含まれている場合、起動ウィンドウで[工程能力分析の実行]オプションを選択すると、「工程能力」レポートが自動的に生成されます。このレポートは正規分布に基づいています。ただし、その列に[分布]列プロパティも含まれている場合は、そこで指定されている分布に基づきます。
ヒント: 複数の列に対して同時に仕様限界を追加する方法については、『品質と工程』の品質に関する限界の設定を参照してください。
列に仕様限界が含まれていない場合は、分析対象の変数名の横にある赤い三角ボタンをクリックして[工程能力]を選択した後に、「工程能力分析」ウィンドウで仕様限界を設定してください。
レポートの仕様限界をデータテーブルに列プロパティとして保存するには、「工程能力分析」の赤い三角ボタンをクリックし、[仕様限界を列プロパティとして保存]を選択します。次に工程能力分析を再実行したとき、その保存した仕様限界が自動的に読み込まれます。
分析対象の変数名の横にある赤い三角ボタンをクリックして[工程能力]を選択すると、「工程能力分析」ウィンドウが開きます。
このウィンドウで、仕様限界、前提とする分布、シグマの推定手法などを指定します。工程能力分析では、シグマ、つまり、(短期間の)群内変動を推定する方法を指定する必要があります。また、選択したオプションによって、異なるサブオプションが表示されます。
図3.12 「工程能力分析」ウィンドウ
仕様限界の入力
下側仕様限界・目標値・上側仕様限界を指定します。これらのうち、少なくとも1つの値を指定する必要があります。[限界の表示]オプションを選択すると、「一変量の分布」レポートのヒストグラムに、仕様限界が表示されます。
工程能力分析オプション
選択したオプションに応じて、サブオプションが表示されます。次のいずれかのオプションを選択します。
サブグループのサイズ= 1
サブグループのサイズを1に設定します。また、「移動範囲オプション」が表示されます。『品質と工程』の移動範囲オプションを参照してください。
サブグループID列を使用する
サブグループID列を選択できます。また、「サブグループのオプション」と「移動範囲オプション」が表示されます。『品質と工程』の“Process Subgrouping”と移動範囲オプションを参照してください。
一定のサブグループサイズを使用する
一定のサブグループサイズを設定できます。また、「サブグループのオプション」と「移動範囲オプション」が表示されます。『品質と工程』の“Process Subgrouping”と移動範囲オプションを参照してください。
履歴シグマを使用する
過去に受け入れられたシグマの値を割り当てます。『品質と工程』の履歴情報を参照してください。
非正規分布を使用する
非正規分布を選択できます。また、「非正規分布のオプション」が表示されます。『品質と工程』の分布オプションを参照してください。
群内工程能力の表示
(「工程能力分析オプション」で、[サブグループのサイズ= 1]または[非正規分布を使用する]を選択している場合にのみ使用可能)郡内シグマの推定値をレポートに表示します。
α水準の指定
信頼限界の有意水準を指定します。
「工程能力分析」ウィンドウで[OK]をクリックすると、「工程能力分析」レポートが表示されます。このレポートには、選択した変数の工程能力レポートが含まれます。このレポートの詳細は、『品質と工程』の各列に対する詳細レポートを参照してください。
• 統計的詳細については、『品質と工程』の「工程能力」プラットフォームの統計的詳細を参照してください。
• 例として、工程能力分析の例を参照してください。
• 「工程能力」プラットフォームについては、『品質と工程』の工程能力を参照してください。
メモ: 「一変量の分布」プラットフォームの「工程能力」レポートの主な設定は、[ファイル]>[環境設定]>[プラットフォーム]>[工程能力]で変更できます。