「モデルのあてはめ」プラットフォームでは、さまざまな手法が用意されています。手法は、入力した応答と因子に従って自動的に選択されますが、[手法]メニューを使って変更することもできます。
次のようなあてはめ手法が用意されています。
標準最小2乗
連続尺度の応答変数に対して、線形モデルをあてはめます。線形回帰分析、分散分析、共分散分析、混合モデルなどが行えます。標準最小2乗モデルおよび標準最小2乗法の強調点オプションを参照してください。
ステップワイズ法
線形回帰モデルや(二値応答もしくは順序応答に対する)ロジスティックモデルに関して、変数選択を行います。応答が連続尺度である線形モデルの場合には、交差検証、p値、BIC規準、AICc規準に基づいて変数を選択できます。また、説明変数のすべての組み合わせをあてはめる機能や、モデル平均化を行う機能があります。応答が二値もしくは順序尺度であるロジスティックモデルの場合は、p値、BIC規準、AICc規準に基づいて変数を選択できます。ステップワイズ回帰モデルを参照してください。
一般化回帰
正則化した(罰則を課した)推定方法により、一般化線形モデルをあてはめます。正則化の手法には、リッジ回帰、Lasso、適応型Lasso、弾性ネット、適応型弾性ネットがあります。応答の分布として、正規分布、二項分布、Poisson分布、ゼロ強調Poisson分布、負の二項分布、ゼロ強調の負の二項分布、ガンマ分布が用意されています。一般化回帰モデルおよび分布の指定を参照してください。
混合モデル
連続尺度の応答に対して、特定の共分散構造を誤差に仮定した線形モデルをあてはめます。次のような状況に適しています。
– 分割実験モデル
– ランダム係数モデル
– 反復測定モデル
– 空間モデル
– 相関がある応答に対するモデル
「混合モデル」を参照してください。
一般化線形混合モデル
一般化線形混合モデルは、応答変数の確率分布が正規分布ではなく、かつ、(乱塊法で収集されたデータに対するモデルなどのように)モデルに変量効果がある場合に使われるモデルです。現在のJMP Proで用意されている応答変数の確率分布としては、二項分布とPoisson分布があります。一般化線形混合モデルを参照してください。
MANOVA
連続尺度の応答変数が複数あるデータに対して、多変量分散分析を行います。ここに含まれる分析としては、多変量分散分析、反復測定データの分析、判別分析、正準相関分析があります。多変量分散分析を参照してください。
対数線形-分散
連続尺度の応答変数に対して、分散に対する効果ももつモデルをあてはめます。平均と分散に対して、別々の効果を指定することができます。対数線形分散モデルを参照してください。
名義ロジスティック
名義尺度の応答にロジスティック回帰をあてはめます。ロジスティック回帰モデルを参照してください。
順序ロジスティック
順序尺度の応答にロジスティック回帰をあてはめます。ロジスティック回帰モデルを参照してください。
比例ハザード
セミパラメトリックモデルである、Coxの比例ハザードモデルをあてはめます。Coxの比例ハザードモデルは、打ち切りデータも考慮しながら、説明変数が生存時間に及ぼす効果をモデル化しています。
この手法は、[分析]>[信頼性/生存時間分析]>[比例ハザードのあてはめ]を選択して起動することもできます。『信頼性/生存時間分析』の生存時間(パラメトリック)のあてはめを参照してください。
生存時間(パラメトリック)
生存時間データに対して、パラメトリックな回帰モデルをあてはめます。この手法は、生存時間の確率分布が説明変数の関数によって表せる場合に使用します。応答変数(生存時間)の確率分布として、いくつかの分布が用意されています。この手法は、打ち切りデータも考慮します。
この手法は、[分析]>[信頼性/生存時間分析]>[生存時間(パラメトリック)のあてはめ]を選択して起動することもできます。『信頼性/生存時間分析』の生存時間(パラメトリック)のあてはめを参照してください。
一般化線形モデル
一般化線形モデルをあてはめます。分布とリンク関数を指定することにより、さまざまな回帰モデルを指定できます。一般化線形モデルには、ロジスティック回帰、Poisson回帰、指数回帰などが含まれます。一般化線形モデルを参照してください。
PLS
1つまたは複数の応答変数に対して、PLS回帰モデルをあてはめます。PLS回帰モデルは、説明変数間に強い相関がある場合や、標本サイズよりも説明変数が多い場合などに有用です。
PLS分析は、[分析]>[多変量]>[PLS回帰]を選択して行うこともできます。『多変量分析』のPLS回帰を参照してください。
応答のスクリーニング
応答変数が数多くあるようなデータに対して、線形モデルをあてはめ、説明変数に対する検定のp値を一度に求めます。検定の結果は、データテーブルに出力され、グラフに描画されます。検定の多重性を考慮し、偽発見率(FDR; False Discovery Rate)も算出されます。また、外れ値が検定に及ぼす影響を小さくするための、ロバストな推定方法も用意されています。
メモ: 「モデルのあてはめ」の[応答のスクリーニング]手法は、連続尺度の応答にのみ使用できます。なお、1つ1つの因子に対する個別の検定をまとめて行うには、[分析]>[スクリーニング]>[応答のスクリーニング]のほうを用いてください。こちらのメニューで呼び出される「応答のスクリーニング」プラットフォームでは、カテゴリカルな応答もサポートされおり、また、同等性や実質的有意差に対する検定もサポートされています。『予測モデルおよび発展的なモデル』の応答のスクリーニングを参照してください。