「二変量の関係」の赤い三角ボタンのメニューには、表示に関するオプション、あてはめを行うオプション、コントロールに関するオプションがあります。あてはめを行うオプションを選択すると、直線、曲線、分布が散布図に追加され、プロットの下には、あてはめごとに赤い三角ボタンのメニューが表示されます。レポートウィンドウには、各あてはめに固有のレポートが追加されます。
図5.5 [平均のあてはめ]オプションの例
メモ: Y変数またはX変数を複数指定した場合は、[あてはめのグループ]メニューが表示されます。[あてはめのグループ]メニューのオプションを使うと、レポートの配置を変更したり、適合度の順に並べたりできます。『基本的な回帰モデル』の「あてはめのグループ」のオプションを参照してください。
「二変量の関係」の赤い三角ボタンをクリックすると、次のようなオプションが表示されます。
点の表示
散布図内の点の表示/非表示を切り替えます。
ヒストグラム軸
散布図の横軸と縦軸におけるヒストグラムの表示/非表示を切り替えます。
メモ: 非表示の行のデータ点は、散布図には表示されず、ヒストグラムには表示されます。行をヒストグラムから除外し、分析の対象外にするには、行の属性を[非表示かつ除外]に設定したうえで、赤い三角ボタンのメニューから[やり直し]>[分析のやり直し]を選択してください。
要約統計量
プロットされている変数の要約統計量の表示/非表示を切り替えます。表示される要約統計量は、変数間の相関係数と共分散、各変数の平均と標準偏差です。
平均のあてはめ
目的変数の平均をあてはめます。傾きをゼロに制約した単回帰モデルということができます。「平均のあてはめ」レポートを参照してください。
直線のあてはめ
最小2乗法によって、回帰直線をあてはめます。プロット上に直線が表示され、あてはめのレポートが作成されます。「直線のあてはめ」、「多項式のあてはめ」、「その他のあてはめ」レポートを参照してください。
多項式のあてはめ
最小2乗法によって、指定された次数の多項式曲線をあてはめます。「直線のあてはめ」、「多項式のあてはめ」、「その他のあてはめ」レポートを参照してください。
その他のあてはめ
YやXを変換した後で回帰モデルをあてはめることができます。変換には、自然対数・平方根・2乗・逆数・指数があります。変換後の変数を使い、多項式の中心化をオフにしたり、切片と傾きの制約を指定したり、多項式モデルをあてはめることも可能です。「その他のあてはめ」のウィンドウを参照してください。
ノンパラメトリックな曲線
ノンパラメトリックなモデルをあてはめます。モデルの種類には、スプライン曲線、カーネル平滑化、値ごとのあてはめがあります。
スプライン曲線のあてはめ
罰則付き最小2乗法による平滑化曲線をあてはめます。平滑化パラメータlを使って、モデルの滑らかさを調整できます。「スプライン曲線のあてはめ」レポートを参照してください。
カーネル平滑化
局所的な重み付けを行う最小2乗法でモデルをあてはめます。このモデルは、LOWESS(locally weightes scatterplot smoothing)とも呼ばれます。平滑化パラメータaを使って、モデルの滑らかさを調整できます。「局所的な平滑化」レポートを参照してください。
値ごとのあてはめ
各X値の応答平均を線でつなぎます。「値ごとのあてはめ」レポートを参照してください。
直交のあてはめ
直交回帰モデルをあてはめます。直交回帰モデルは、X変数とY変数の両方が誤差を伴って測定される場合に使います。「直交のあてはめ」レポートを参照してください。
一変量分散, 主成分
標準化したデータに対する主成分分析の第1主成分をあてはめます。
等分散性
分散比を1とした直交回帰モデルをあてはめます。このモデルでは、XとYの誤差分散が等しいと仮定します。この方法は「Deming回帰」という名前でも知られています。
Y→Xのあてはめ
分散比を0、すなわちYの分散を0とした直交回帰モデルをあてはめます。
指定された分散比
分散比の値を指定して直交回帰モデルをあてはめます。
Passing Bablokのあてはめ
Passing-Bablok法によって回帰モデルをあてはめます。Passing-Bablok法を行った後、赤い三角ボタンよりBland-Altman分析を実行することもできます。Passing-Bablok法、X変数とY変数の両方が誤差を伴って測定される場合に使います。「Passing-Bablokのあてはめ」レポートおよび[Passing Bablokのあてはめ]オプションの統計的詳細を参照してください。
ロバスト
ロバスト(頑健)な推定方法による回帰モデルをあてはめます。ロバストな推定方法は、外れ値の影響を少なくします。「ロバストなあてはめ」レポートを参照してください。
ロバストなあてはめ
HuberのM推定を使用してロバストな回帰モデルをあてはめます。
Cauchyのあてはめ
Cauchy分布を仮定した最尤法を用いてロバストな回帰モデルをあてはめます。
確率楕円
プロットに指定されたパーセントの二変量正規楕円を描画します。楕円の中に、指定の割合のデータ点が含まれることになります。このオプションを使うと相関が推定できます。「確率楕円」レポートを参照してください。
ノンパラメトリック密度
プロットにノンパラメトリック密度の等高線を描画します。密度等高線はデータ点の密度を表します。ノンパラメトリック密度を参照してください。
グループ別
グループ変数を指定することができます。その後は、指定したグループ変数の水準ごとにあてはめが計算されるようになります。グループごとにあてはめられた直線・曲線・楕円などが散布図に重ねて表示されます。こうすると、グループごとにあてはめたモデルを、視覚的に比較することができます。グループ別確率楕円の例およびグループ別回帰直線の例を参照してください。
メモ: [グループ別]を使うと、グループごとにあてはめたモデルが1つのプロットに表示され、結果も1つのレポートに並べて表示されます。起動ウィンドウの[By]オプションを使った場合は、グループごとの結果が個別のレポートに表示されます。
以下のオプションの詳細については、『JMPの使用法』の「JMPレポートのローカルデータフィルタ」、「JMPレポートの[やり直し]メニュー」、および「JMPレポートの[スクリプトの保存]メニュー」を参照してください。
ローカルデータフィルタ
データをフィルタリングするためのローカルデータフィルタの表示/非表示を切り替えます。
やり直し
分析を繰り返したり、やり直したりするオプションを含みます。また、[自動再計算]オプションに対応しているプラットフォームにおいては、[自動再計算]オプションを選択すると、データテーブルに加えた変更が、該当するレポートに即座に反映されるようになります。
プラットフォーム環境設定
現在のプラットフォームの環境設定を表示したり、現在のJMPレポートの設定に合わせて環境設定を変更したりできます。
スクリプトの保存
レポートを再現するためのスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。
Byグループのスクリプトを保存
By変数の全水準に対するレポートを再現するスクリプトを保存するオプションが、保存先ごとに用意されています。起動ウィンドウでBy変数を指定した場合のみ使用可能です。